keitai

契約者固有ID送信時代の安全なケータイWeb利用リテラシ

auなど一部の事業者だけが送信していたときは、「これは脆弱性であり廃止されるべき機能である」という立場をとっていたが、今年からとうとう各社横並びの標準仕様となってしまったので、私としては立場を変えざるを得ない。

契約者固有IDを全サイトに送信するのが標準仕様である「ケータイWeb」においては、次の通り使い方に注意する必要がある旨、情報セキュリティを専門とする者として一般利用者へ勧告したい。


ケータイWebにおいては、絶対に住所氏名を入力しない。
商品配送先として住所氏名の入力が必要となるネットショップは利用しない。(着メロ等のダウンロード購入のように、住所氏名を送信する必要のないショッピングしかしないようにする。)
どうしても物を買いたいときは、携帯電話会社が運営するショップを使う。(携帯電話会社は、ユーザIDを流用することはないので。)
ケータイWebにおいては、完全に匿名で使うことを覚悟するか、又は、常に非匿名であることを前提に行動する。
匿名を選択する場合は、自分が誰であるかわかるようなことを、どのサイトでも明らかにしないようにする。
非匿名を選択する場合は、自分が誰であるかはどのサイトでも知られ得ると覚悟して、それでもかまわない行動しかとらないようにする。

PCから使う通常のインターネットなら、GoogleYahoo!で検索して見つけた、初めて訪れるネットショップで、いきなり買い物をする(代引き等で)というのも、そこそこ普通のことである。商品の送付先として住所氏名を入力するわけだが、仮にそのネットショップの信頼性が低いものだったとしても、単に住所氏名を渡すことくらい、たとえ名簿に記載されて販売されようと、それだけなら問題がないという判断もあり得る。実際、私も、3年前に東京に引っ越した際には、かなりの数の見知らぬネットショップをWeb検索で見つけて利用した。

しかし、ケータイWebではそうはいかない。住所氏名を送信する際に、同時に携帯電話の契約者固有IDも送信してしまう。当該サイトの信頼性が低い場合、その固有IDの契約者が誰であるか、住所氏名とひもづけられて記録され、第三者に販売されるおそれがある。ひとたびそうなってしまうと、別のサイトを訪れても、訪れただけで、住所氏名を特定されてしまう(そのサイトがその名簿を購入している場合)。このような事態は、PCから使う通常のインターネットでは起こり得ない。IPアドレスは固定ではないからだ。

PCから使う通常のインターネットでは、匿名で使うサイトと、顕名で使うサイトの両方を利用することができた。SNSやblogでは名前を明らかにして活動し、掲示板では匿名で活動するということが安心してできた。(警察の取り調べが入るような犯罪的行為をしない限り。)

ケータイWebではそうはいかない、どこかのサイトで匿名で行動したいと思うなら、他のどのサイトでもずっと匿名のまま使うように気をつけないといけない。どこかに明かした個人的な情報は、契約者固有IDと紐付けられて他のサイトで共有され得る。逆に、どこかのサイトで自分が誰か明かして行動したいなら、他のどのサイトでも自分が誰かは知られていると覚悟の上で行動しなくてはならない。匿名で使うことを選択したなら、ネットショップを使うわけにはいかない。

契約者固有IDの全サイト送信は、このように、ユーザの利用行動を制限せざるを得ないものである。
高木浩光@自宅の日記 - 日本のインターネットが終了する日様より引用

知らなかった^^;
まあ、AMAZONauオークションしか使ってないから大丈夫か